とある夜東京にて

A「テレビのアンテナの線がなくてテレビが映らないんだけどまた今度時間があると
きに教えて?」
B「じゃ、今からドンキホーテへ行きましょう。」
A「えっ、何それ?」
B「深夜営業のディスカウントショップ、、、。」

、、、と東京では、こういう会話の内容が普通なのだが、そのドンキホーテなるディスカウントショップが先日株式公開をして事業拡大を図っている。もう車を持っている都民は誰でも知っている。「ちきしょーこれが欲しい、、、今あったら、、、。」とか、「どっか行きたいけど行くとこない。」と思ったらとりあえずドンキホーテへ向かうのが今っぽい都民のライフスタイルなのだ。最近では駐車待ちの渋滞ができるほど混雑する日もあるとか、、、、。

 その深夜ディスカウントスーパーで株式公開を果たした「ドンキホーテ」の社長、安田隆夫さんの話が新聞に掲載されていた。一言で言えば発想の転換であり、今後の事業をしていく者にとって大いに考えさせられる内容です。

 今までの常識では、夜になって買い物に出掛けるのは、昼間とは異なり、何か買うものが決まっている「目的購買」だろうと考えられいた。
 「家に帰りビールを飲んだ後は、誰も家から出たがらないだろう」というのはオヤジの発想で、世の中には「暇で暇で困った。テレビもつまらない」という人も、いるところにはいるものです。その人たちを狙って、夜間衝動買いをさせる方法で成功したことは、今までの常識から見ると正に衝撃的。

 ついつい経営者は、自分の価値観やライフスタイルをその商売にそのまま投影し、あれこれ考えてしまいますが、この例は、それを逆手に取った一つの例です。

 ドンキホーテのお店は、熱帯雨林型配列または動画的配列といわれ、従来のお店が「買いやすく、見やすく、手に取りやすく」を消費者のためへのサービスと考えていたのに対し、全く逆の発想で配列がされています。

 つまり「買いにくく、見にくく、わざと手に出にくく」の精神で、売り場の通路も狭く、両側に商品が積み込まれて、身体を斜めにしないと通れないようなところもある等、効率を無視したごちゃごちゃの店舗です。このことは、夜出歩くことが好きなシングル族・若い客の好奇心や暇な時間を潰させる冒険心をくすぐりました。
 更に店員も、若いお客様に感覚的についていける20代を揃えています。

 まさしく発想の転換により、深夜10時から朝の1時までで、昼の4倍の売上を果たしているという、、、まさに東京のビジネス街道抜け道マップを通りぬけたような成果を上げたのです。
 
 アパレル産業で破綻したある上場会社の場合、昔の成功時の仕入責任者が、会社が大きくなるにつれ地位が上がっていき、いつまで経っても仕入責任者の職に就いてあれこれ指示したために、実際の購買層とのジェネレーションギャップができ、商売が通用しなくなったという例があります。

 若者向けの百貨店「プランタン」は、若い仕入責任者を若いメンバーに全面的に権限を与えて成功しましたが、これらの現象を見ていると、経営者がいつまでも昔に固執していると、時代の大きなうねりの中、お客様についていけないということが往々にして起こっているということが分かります。

 過去の習慣で今後の方針を決めて行く姿勢は、一番リスクの少ない正道なのですが、マーケットが進化し、デフレ不況となった今では、新しい道を切り開かないと、他社を差し置いて抜け駆けして大きくなることはもう不可能なのです。

 やはり独自のストラテジー(戦略)を持ったやり方が重要、、、他人と同じ事をしていてもアカンのですよ!!

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